とある駅の晩秋の風景 ― 2007年11月25日 00時00分00秒
![](http://pensiero.asablo.jp/blog/img/2007/11/25/71bee.jpg)
場所:川崎駅ホームから撮影
撮影年月日:2007年11月24日
清水へサッカー観戦に訪れる途中で、乗り換えた川崎駅で撮影したものです。
良くある晩秋の光景ですが、紅葉深まる街路樹が、レールと並走してどこまでも続くように思えました。
撮影年月日:2007年11月24日
清水へサッカー観戦に訪れる途中で、乗り換えた川崎駅で撮影したものです。
良くある晩秋の光景ですが、紅葉深まる街路樹が、レールと並走してどこまでも続くように思えました。
【J1第33節】霊峰富士に祈る ― 2007年11月25日 19時37分00秒
![](http://pensiero.asablo.jp/blog/img/2007/11/25/71180.jpg)
冬型の気圧配置も緩んで、小春日和になったこの日。
日本平の南西斜面から吹き下ろす心地よい風と暖かな陽光が日本平を優しく包み込んでいた。
イビツァ・オシム監督の容態は山場を越え、快方に向かっていると聞くが、依然として意識がない状態であることに焦燥感を拭うことができない。一週間以上も眠り続けていることに、よっぽど容態が思わしくないのかと嫌々ながらも思ってしまう。「いや、しかしこれはきっと神様が、長年の労をねぎらい、五体満足でイビツァをサラエボまで送り届けるその時まで、故郷の子守唄を謳って寝かし続けておられるのだ。」「そう、これはきっと神様の思し召しなのだ。おそらくイビツァも故郷サラエボを思って、幼少の頃からの記憶を辿っているに違いない。近いうちに目を覚ます運命にあるのだ。」
今はそうやって自分自身に蔓延るネガティブ感情を払拭させ、安堵感を与えている。
「霊峰富士」は、言わずと知れた日本の象徴であり、日本三霊山にも数えられ、多くの日本人の信仰を集める最高峰である。
僕はこの日、ジェフの応援よりも、イビチャ・オシムの回復の為に、「霊峰富士」を拝みたい一心であった。もちろん、チームを応援し、それに選手が応え、イビツァの心に届いてほしいと思いながらもだ。
僕は、祈りたかった。しかし、「霊峰富士」は道中の東海道からも、試合開始時の日本平からもちょうどその雄大さが、分厚い雲によって覆われ、拝むことができずにいた。
相手の清水は、今期ホーム開幕戦に屈辱を味わった相手だ。その日は、ジェフユース出身の光永 亮太さんを招いての応援ソングで始まるなど、勝利へのお膳立てが整っていたにも関わらず、どちらがホームなのか目を疑うほど、序盤の段階でとんとん拍子に3失点を奪われる惨憺たる内容であった。秘めた闘志を持つ山岸はくやし涙に暮れていたほどだ。ホーム開幕戦の屈辱を晴らすべく、選手もサポーターも発奮する材料は揃っていた。
試合は、北京オリンピック出場を決めた「ウォーターボーイズ」の二人は、疲れを考慮してスターティングイレブンに入らず、変わりに羽生とジョーレが入る布陣。FWはいつもの新居に変わってレイナウド。
開始早々、巻が羽生のコーナーキックをボレーで合わせ、観客の度肝を抜くスーパーゴール。この得点は、ファーポストよりに密集していた勇人とジョーレがニアに動くことで相手が引きずられ、「チームプレー」としてフリーの選手を作ったお手本とも言えるプレーだった。
前節の巻の「涙の理由」が、様々な経験や思い出からくる感情が交錯し、また、イビツァに応えられない自分自身への戒めから溢れ出るものだとしたら、きっとこのゴールは、病床のイビツァのもとへ届いたに違いない。
しかし、序盤の守備陣はパスミスするなど少し浮き足立っていた。そんな中、クリアボールを藤本淳吾に鮮やかに決められ同点。
その後、斎藤がチョジェジンへのファウルで一発退場。ユニフォームを引っ張っていたのではあるかと思うが、ペナルティエリアの外では、決定機を阻んだかどうかの基準にはならない。ゴール裏から見る限りでは後ろから足を出しているのかは良くわからなかったが、レッドカードはいささか不公平な判定ではなかったかと思う。
そして直接フリーキックをまたもや藤本淳吾に決められてリードを許した。
だが、ここから全員が奮起して点を追加点を許さなかった。
伊藤は、フェルナンジーニョと左サイドの市川までケアし、足が攣るまで頑張った。中島と交代した水本は、チョジェジンを、ジョーレは矢島を完全なマンマークで抑えきった。
そして、「あれ、入っちゃうんじゃない」と言ってられるほど、滞空時間の長かった、ジョーレのスーパーゴール。
この試合、勝つことはできなかったが、選手たちは本当に奮闘してくれた。悔やんでも悔やみきれないのは、藤本淳吾を何度もフリーにさせてしまったことである。実際、ゴールへと直結させてしまったことは反省すべき点であろう。
試合が終了した頃、「霊峰富士」は雲を追い払い、霞がたなびいても、なお威厳を留めている姿を僕は目の当たりにした。そして僕は願った。「イビツァ・オシムが早く深い眠りから目を醒ますように」と・・・。
試合終了後、清水エスパルスのホーム最終戦で、一年を総括するチーム関係者の挨拶と久保山選手の引退セレモニーが行われた。
長谷川監督からは、イビツァ・オシムの容態が一刻も早く良くなるように回復を祈る言葉を頂くとともに、ジェフサポーターへの激励の言葉も頂いた。そして、久保山選手の引退会見では、サッカー選手個人への功績を称え、双方のサポーターから惜しみない拍手が送られていた。
きっとイビツァは、日本のサッカーがまだ未熟で汚れていない上、自分よりも相手を尊重する日本の文化や精神、価値観に、この国のサッカーに対するより良き未来を見出したに違いないと思った。
いよいよ、来週はリーグも最終戦。
ジェフは絶対に、開幕戦に敗れた名古屋に勝って締め括りたいところだが、それまでに、イビツァ・オシムは目覚めてくれるだろうか。
いや、いつかは絶対に目覚めてくれる、そう信じている。だから、今はゆっくり過去の記憶に浸って頂き、それに飽きたら今後の青写真を描いていてほしいと思う。
ネダモ、オシマ!シュワーボ、オスタニ!
イビツァ・オシムは絶対に戻ってくる。今はそう信じるしかない。
日本平の南西斜面から吹き下ろす心地よい風と暖かな陽光が日本平を優しく包み込んでいた。
イビツァ・オシム監督の容態は山場を越え、快方に向かっていると聞くが、依然として意識がない状態であることに焦燥感を拭うことができない。一週間以上も眠り続けていることに、よっぽど容態が思わしくないのかと嫌々ながらも思ってしまう。「いや、しかしこれはきっと神様が、長年の労をねぎらい、五体満足でイビツァをサラエボまで送り届けるその時まで、故郷の子守唄を謳って寝かし続けておられるのだ。」「そう、これはきっと神様の思し召しなのだ。おそらくイビツァも故郷サラエボを思って、幼少の頃からの記憶を辿っているに違いない。近いうちに目を覚ます運命にあるのだ。」
今はそうやって自分自身に蔓延るネガティブ感情を払拭させ、安堵感を与えている。
「霊峰富士」は、言わずと知れた日本の象徴であり、日本三霊山にも数えられ、多くの日本人の信仰を集める最高峰である。
僕はこの日、ジェフの応援よりも、イビチャ・オシムの回復の為に、「霊峰富士」を拝みたい一心であった。もちろん、チームを応援し、それに選手が応え、イビツァの心に届いてほしいと思いながらもだ。
僕は、祈りたかった。しかし、「霊峰富士」は道中の東海道からも、試合開始時の日本平からもちょうどその雄大さが、分厚い雲によって覆われ、拝むことができずにいた。
相手の清水は、今期ホーム開幕戦に屈辱を味わった相手だ。その日は、ジェフユース出身の光永 亮太さんを招いての応援ソングで始まるなど、勝利へのお膳立てが整っていたにも関わらず、どちらがホームなのか目を疑うほど、序盤の段階でとんとん拍子に3失点を奪われる惨憺たる内容であった。秘めた闘志を持つ山岸はくやし涙に暮れていたほどだ。ホーム開幕戦の屈辱を晴らすべく、選手もサポーターも発奮する材料は揃っていた。
試合は、北京オリンピック出場を決めた「ウォーターボーイズ」の二人は、疲れを考慮してスターティングイレブンに入らず、変わりに羽生とジョーレが入る布陣。FWはいつもの新居に変わってレイナウド。
開始早々、巻が羽生のコーナーキックをボレーで合わせ、観客の度肝を抜くスーパーゴール。この得点は、ファーポストよりに密集していた勇人とジョーレがニアに動くことで相手が引きずられ、「チームプレー」としてフリーの選手を作ったお手本とも言えるプレーだった。
前節の巻の「涙の理由」が、様々な経験や思い出からくる感情が交錯し、また、イビツァに応えられない自分自身への戒めから溢れ出るものだとしたら、きっとこのゴールは、病床のイビツァのもとへ届いたに違いない。
しかし、序盤の守備陣はパスミスするなど少し浮き足立っていた。そんな中、クリアボールを藤本淳吾に鮮やかに決められ同点。
その後、斎藤がチョジェジンへのファウルで一発退場。ユニフォームを引っ張っていたのではあるかと思うが、ペナルティエリアの外では、決定機を阻んだかどうかの基準にはならない。ゴール裏から見る限りでは後ろから足を出しているのかは良くわからなかったが、レッドカードはいささか不公平な判定ではなかったかと思う。
そして直接フリーキックをまたもや藤本淳吾に決められてリードを許した。
だが、ここから全員が奮起して点を追加点を許さなかった。
伊藤は、フェルナンジーニョと左サイドの市川までケアし、足が攣るまで頑張った。中島と交代した水本は、チョジェジンを、ジョーレは矢島を完全なマンマークで抑えきった。
そして、「あれ、入っちゃうんじゃない」と言ってられるほど、滞空時間の長かった、ジョーレのスーパーゴール。
この試合、勝つことはできなかったが、選手たちは本当に奮闘してくれた。悔やんでも悔やみきれないのは、藤本淳吾を何度もフリーにさせてしまったことである。実際、ゴールへと直結させてしまったことは反省すべき点であろう。
試合が終了した頃、「霊峰富士」は雲を追い払い、霞がたなびいても、なお威厳を留めている姿を僕は目の当たりにした。そして僕は願った。「イビツァ・オシムが早く深い眠りから目を醒ますように」と・・・。
試合終了後、清水エスパルスのホーム最終戦で、一年を総括するチーム関係者の挨拶と久保山選手の引退セレモニーが行われた。
長谷川監督からは、イビツァ・オシムの容態が一刻も早く良くなるように回復を祈る言葉を頂くとともに、ジェフサポーターへの激励の言葉も頂いた。そして、久保山選手の引退会見では、サッカー選手個人への功績を称え、双方のサポーターから惜しみない拍手が送られていた。
きっとイビツァは、日本のサッカーがまだ未熟で汚れていない上、自分よりも相手を尊重する日本の文化や精神、価値観に、この国のサッカーに対するより良き未来を見出したに違いないと思った。
いよいよ、来週はリーグも最終戦。
ジェフは絶対に、開幕戦に敗れた名古屋に勝って締め括りたいところだが、それまでに、イビツァ・オシムは目覚めてくれるだろうか。
いや、いつかは絶対に目覚めてくれる、そう信じている。だから、今はゆっくり過去の記憶に浸って頂き、それに飽きたら今後の青写真を描いていてほしいと思う。
ネダモ、オシマ!シュワーボ、オスタニ!
イビツァ・オシムは絶対に戻ってくる。今はそう信じるしかない。
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