ベルばら展を観賞して2008年03月09日 18時28分27秒

 一昨日、先週末の休日出勤分の代休が取れたので、上野の東京美術館にルーブル美術館展フランス宮廷の美を観賞して来ました。
 ルーブル美術館からの展示品を、日本の美術館の展覧会で観賞するのは、前が2005年の横浜美術館で開催された印象派などの絵画展、2006年の東京芸大で開催されたギリシア・ローマ展、そして今回のフランス宮廷の美で3回目です。

 正直、芸術を専攻してわけではなく、ギリシア・ローマの彫刻に少し興味がある程度で、絵画に至っては、何から何までさっぱりわからないのですが、今回のフランス宮廷の美は、やはりルーブル美術館とネームバリューと、小学生時に見たベルサイユのばらのアニメに夢中になり、子どもながら鮮烈に胸を打ったことを今でも覚えているからです。

 そのような動機で今回も芸術にはそれほど興味がなかったのですが、比較的混雑が少ない平日を利用して足を運んでみました。

館内の展示数は138点。実際に館内で観賞をしてみて、まず最初がロココ様式でした。
 ロカイユ装飾が施された家具や燭台などの芸術品は、何もかもが黄金で装飾されており、ひたすら優美さを追求した装飾は、ブルボン朝の黄金期を視覚で感じることができました。

 ロカイユ装飾の後には、その反動として生まれた新古典主義の展示品です。
 新古典主義は、芸術におけるギリシア・ローマの厳格的で重厚な回帰運動を指します。ロカイユ装飾に比べて、形式的な美に捉われ、そこにあるのは理性だけで感性や情熱、情熱などの感覚的なものは介在しないということでしょうか(よくわからないのでWikiを参照してみました(笑))
 新古典主義は、ポンペイ遺跡の発掘によって、広まったようです。それを考えると、「古代ローマは実体は滅んでも、その遺志は永遠に受け継がれるのだな」とノスタルジアをおぼえてしまいました。
 ちょっと脱線してしまいましたが、マリー・アントワネットはこの新古典主義の時代に生きました。

 その今回の展覧会のヒロインであるマリー・アントワネットの物もありました。大きな旅行鞄もその一つですが、そこには、展示されていた、食器から筆記用具、化粧道具などの美用品、その他生活必需品などが毅然と整列されて入っていたようです。その携行品には、沢山の女性が食い入るように観賞されてました。

 そして最後を飾ったのは、新古典主義のきっかけとなったヴェスヴィオ山の噴火。その絵には人々が噴火で戦々恐々する様子が描かれていました。
18世紀まで遺跡が埋もれていたということは、この絵からも相当に大規模な噴火だったことが推測できます。

 観賞を終えてみた感想は、実際はあまりよくわかりませんでしたけど、宮廷の芸術に触れたことで、自分の世界が広がった気がします。
 自分がこの時代に生きていたらどうだっただろうか?
 おそらく平民だったなら、壮麗な宮廷に対して不満が爆発し、フランス革命は免れられなかっただろうと、そんなことを思いながら家路に着きました。

 近いうちに今度は、ウルビーノのヴィーナス展を観賞しようと思います。

千葉マリンマラソン完走記2008年01月20日 19時02分00秒

 今日、人生初めてのハーフマラソンを走ってきました。
 その舞台は千葉マリンマラソンです。

 まず、今回のマラソンにエントリーした動機ですが、

1.今の自分に渇を入れるため。
2.高校野球県予選で、千葉マリンの人工芝を踏む事ができなかった為、その人工芝を踏んでみたいとの願望によるもの。
3.マラソンには自身があった。(小学生時には駅伝で区間賞、中高は野球部でありながら、校内マラソン大会で10位以内に入っていた実績を持つ)

※ちなみに、今までの人生で、まともに走った最長距離は10キロであり、走り続けた時間は35分です。

 というわけで、今回走る為のシューズとシャツとタイツを揃えて、二週間前からランニングを始めました。
 初日は約7キロの、自分で考えたコースを走ってみましたが、体力が相当落ちていることを心身共に味わい、途中で歩く始末。さらに、最初の三日間は筋肉痛が酷い状態でした。
 しかし、四日目も過ぎた頃、筋肉痛も治まって歩かずに完走できるようになりました。そして、8日目くらいから、本番を見据えランニングの距離を約12キロに伸ばしました。しかし、完走できたのは12キロを走り初めてから4日目で、その時は、左足首と両膝が痛み出し、本番前の二日間は大事をとって休みました。
 そのような状態で今日の本番を迎えたので、一応目標をハーフ1時間30分と自分の中で設置しましたが、完走できれば満足というような弱気なところも交錯した心境でした。
 
 いよいよ気温5度の中、スターターの小出 義雄監督のピストル音でスタート。小出監督に手を振って別れた後、ペース配分がわからない僕は、ペースを上げ、どこまで持つかわからない状態で走っていました。
しかし、3キロを過ぎた頃、徐徐に息が上がり出し、21キロの前途多難な冒険がいかに苦しいことかを痛感させられる羽目に遭いながらも、ペースをを落とそうとせず走り続ようとしましたが、それは叶わぬ状態でした。そして、自分に相応しいペースを保ちながら7キロ地点を過ぎた頃、職場の仲間が声援をくれました。「おー何と心強い・・・」
 
その後もそのペースを保ち続け、10キロに差し掛かる手前で、何と靴紐が解けてしまいました。「おー、何というアクシデント!」
しかし、踏ん張って走り出し、いよいよ、10キロ地点を折り返しました。しかし、折り返した途端に向かい風の洗礼を浴びることに・・・。それほど強い風ではないにしても、風速2、3メートルはある感じ。走り慣れていない僕には相当きつく、そこから体力が一気に消耗し始めました。
 そして、稲毛海浜公園の林間コースに入ってからは、防風林に守られ風の影響を受けることなく、どうにか海浜公園内の2キロくらいを走破し、再び、海岸沿いの大通りへ。
 あと残り5キロ地点でここから勝負と行きたいところではあったが、両ふくらはぎが硬直し始め、右ふくらはぎに至っては、「ピキン」となったような感じで攣りそうな予感が・・・。
 心肺機能は余裕があるのに、脚が上がらないのがもどかしい・・・。
「あー当然の結果だな」と思いつつも、「みんな辛いのは一緒なんだ」と我を叱咤し、脚の消耗と向かい風に耐えながら、精神力だけでどうにか乗り切り、沿道の声援の皆様にも励まされながら、自分との戦いも最終局面へ移り、いよいよ千葉マリンスタジアム内へ突入!
 千葉マリンスタジアムの芝は柔らかく、脚への負担も少なかったので、意外とダッシュが利きました。「マリンの人工芝は思っていたより柔らかかった~。これだけでも走った価値があったな~」
 そして、ゴール!
 ゴールの瞬間は正直複雑でした。完走してやり切った思いはありましたけど、なんと言ってもタイムが1時間40分ジャストでしたから・・・。
でも世の中、そんなに甘くない。そう考えれば、今回のタイムは当然の結果かもしれない。
 参加賞はタオルとQちゃんCMのドリンク「バーム」。個人的にランニンググローブが貰えるものと思っていたので非情に残念。

 今回マラソンを走って感じたことは、年配の方がすごく多いことです。しかもみんなあまり息を切らしていないし、楽しそうに走ってました。やっぱり、スポーツの原点であるランニングは基礎体力を養う上で重要ですね。サッカー部の出場者も多かったような気がします。
 僕は、景色を見る余裕も無く、どっちかと言うと、楽しかったよりは、厳しかったです。
 走る格好は様々で、今日は千葉マリンが舞台だけに、千葉ロッテのユニフォームを着て走っている方がいました。僕は、渡辺俊介のタオルマフラーを持参したのだけど、結局首に巻きませんでした(その余裕がありませんでした)
 そして、何よりランナーが極限の中で、いかに自分と格闘し、乗り切ろうとしているか、その厳しさが少しわかったような気がします。さらに、沿道の声援が、いかに選手に勇気を与えるかも身に染みて感じましたね。
  
 最後になりますが、来年は東京マラソンに出ようかなと画策していましたが、今日走ってみて、体力的に無理であることがわかりました。しかし、ランニングの楽しさと重要性を改めて知る機会となりましたので、次は3月の立川か小田原にターゲットを絞って、当面はハーフを走りたいと思っています。