総裁選からたまには政治を考えてみた ~その3~ ― 2008年09月21日 19時07分27秒
■経済問題への財政出動は得策か
アメリカの金融不安のニュースを取り入れることを予定していなかった為、論旨から乖離してしまったが、総裁選の当開票も明日に迫っているので、尻切れ蜻蛉になってしまうが、急ピッチで完結させたい。
政治への不信感とアメリカの金融情勢によって主役を奪われ、いまいち盛り上がりに欠ける総裁選だが、圧倒的に麻生氏が有利にも関わらず、“仲好し行脚”や派閥を分断してまでの支持合戦、そして小泉元総理の「何も言えねぇ」発言から一転して小池氏百合子氏の支持に回ったことなどを見ても、その後の解散総選挙を睨んで国民に政策などをアピールするための総裁選であることが一目に見て取れるだろう。
アメリカ民主党の大統領候補選出のように政策論争や中傷に至るまで派手にやりあって欲しいものだが、ヒラリー支持者がマケイン支持に回ったことへの両者共倒れを懸念しての“仲好しこよし”状態なのだから、いまいち盛り上がりに欠けるのは否めない。
とはいえ、5候補者ともプライマリーバランスの2011年度黒字化方針の堅持を初めとする経済政策では共通しているが、財政改革では、意見が分かれているようだ。
総裁が確実な麻生氏の場合、経済問題に比重を置くことで、仕切りに財政出動と減税を唱えているが、果たしてこの政策は奏功するのであろうか?
今の需要の冷え込みは、日本の最大の貿易国であるアメリカ経済の悪化や原油高から波及した食料品の物価高からくるものであるのに、財政創出によるケインズ的な有効需要の統制といったやり方に対し、どうしても疑問符が付いてしまう。
経済への財政出動は、一時期的な景気対策にはなると思うが、民間企業はいつまで続くかも知れない絶え間ない経営努力の日々を送っている。再び消費を加熱させる一番の薬は物価の安定にあることは、紛れもないことであるので、この対策として財政出動は一つの有効な手段ではあると思うが、果たしてどうだろう。目先の場当たり的な手当てよりも、多少の痛みは放置し、思い切ってメスを入れることも必要ではないだろうか。
その行財政改革の構造改革を目指す政策では、小泉氏が推薦する小池百合子氏の公約は魅力的である。
小池氏を支持する、郵政改革を実践した小泉元首相に対しては、常に「市場原理主義」的であると批判が絶えないが、金融システム維持のため、金融機関に公的資金を注入したことからも、政府にしかできない役割を実践している上で、それは決して「市場原理主義」的はないという意見もあるが、小池氏は小泉路線を踏襲すると言い切っている。
その小池氏の行財政改革だが、“霞ヶ関改革”と銘打った「官僚主導から政治主導への転換」を明言し、小さな政府を目指していることである。その目的は、「公務員制度改革」にあり、頭でっかちな官僚の天下り体質を根本から変える効果を狙ったものである。そして、にわかに囁かれている、特別会計の積立金などの“霞が関埋蔵金”を使用することで、経済と財政を当面の間維持しようという目論見である。
消費税や法人税、所得税などの税制改革は、今後の日本の経済状況や人口推移などの社会情勢から、年金制度や社会保障費を見据えれば、増税の実行は止むを得ないと思うが、時期を間違えれば日本経済が急激に影を落とすことも考えられる為、経済界からの反発は必死である。そうした理由から、まずは恒久的な行財政改革から手を付けるのが最もであるように思う。
その4へつづく
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アメリカの金融不安のニュースを取り入れることを予定していなかった為、論旨から乖離してしまったが、総裁選の当開票も明日に迫っているので、尻切れ蜻蛉になってしまうが、急ピッチで完結させたい。
政治への不信感とアメリカの金融情勢によって主役を奪われ、いまいち盛り上がりに欠ける総裁選だが、圧倒的に麻生氏が有利にも関わらず、“仲好し行脚”や派閥を分断してまでの支持合戦、そして小泉元総理の「何も言えねぇ」発言から一転して小池氏百合子氏の支持に回ったことなどを見ても、その後の解散総選挙を睨んで国民に政策などをアピールするための総裁選であることが一目に見て取れるだろう。
アメリカ民主党の大統領候補選出のように政策論争や中傷に至るまで派手にやりあって欲しいものだが、ヒラリー支持者がマケイン支持に回ったことへの両者共倒れを懸念しての“仲好しこよし”状態なのだから、いまいち盛り上がりに欠けるのは否めない。
とはいえ、5候補者ともプライマリーバランスの2011年度黒字化方針の堅持を初めとする経済政策では共通しているが、財政改革では、意見が分かれているようだ。
総裁が確実な麻生氏の場合、経済問題に比重を置くことで、仕切りに財政出動と減税を唱えているが、果たしてこの政策は奏功するのであろうか?
今の需要の冷え込みは、日本の最大の貿易国であるアメリカ経済の悪化や原油高から波及した食料品の物価高からくるものであるのに、財政創出によるケインズ的な有効需要の統制といったやり方に対し、どうしても疑問符が付いてしまう。
経済への財政出動は、一時期的な景気対策にはなると思うが、民間企業はいつまで続くかも知れない絶え間ない経営努力の日々を送っている。再び消費を加熱させる一番の薬は物価の安定にあることは、紛れもないことであるので、この対策として財政出動は一つの有効な手段ではあると思うが、果たしてどうだろう。目先の場当たり的な手当てよりも、多少の痛みは放置し、思い切ってメスを入れることも必要ではないだろうか。
その行財政改革の構造改革を目指す政策では、小泉氏が推薦する小池百合子氏の公約は魅力的である。
小池氏を支持する、郵政改革を実践した小泉元首相に対しては、常に「市場原理主義」的であると批判が絶えないが、金融システム維持のため、金融機関に公的資金を注入したことからも、政府にしかできない役割を実践している上で、それは決して「市場原理主義」的はないという意見もあるが、小池氏は小泉路線を踏襲すると言い切っている。
その小池氏の行財政改革だが、“霞ヶ関改革”と銘打った「官僚主導から政治主導への転換」を明言し、小さな政府を目指していることである。その目的は、「公務員制度改革」にあり、頭でっかちな官僚の天下り体質を根本から変える効果を狙ったものである。そして、にわかに囁かれている、特別会計の積立金などの“霞が関埋蔵金”を使用することで、経済と財政を当面の間維持しようという目論見である。
消費税や法人税、所得税などの税制改革は、今後の日本の経済状況や人口推移などの社会情勢から、年金制度や社会保障費を見据えれば、増税の実行は止むを得ないと思うが、時期を間違えれば日本経済が急激に影を落とすことも考えられる為、経済界からの反発は必死である。そうした理由から、まずは恒久的な行財政改革から手を付けるのが最もであるように思う。
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総裁選からたまには政治を考えてみた ~その4~ ― 2008年09月21日 22時22分03秒
■政治に求める戦略的な農業政策
小池氏を推したい理由は他にもある。それは、公約として掲げている「もうかる農業への変革」を唱えていることへの経済面での農業政策である。
私も経済政策の「もうかる農業への変革」は、経済動向と社会情勢の趨勢を読むからに必要不可欠と私も考える。
経済が、「貨幣を媒介として市場での取引を行う行為」であるのなら、食料品の物々交換から発展した現代の市場経済は、農業経済と共に発展してきたと言っても過言ではない。その人間の最低限の生活を保障する「食」を疎かにして、経済の発展などありえるだろうか?
現在の日本の食糧自給率は40%である。幸いにして、コメの自給率は100%を維持しているが、食文化の発達により、残りを輸入に頼っていることは紛れもない現実である。
温暖化や天変地異の発生による凶作や、原油高による穀物のバイオマス燃料への転用によって引き起こされた今日の物価高は、日本に未曾有の危機を与える可能性がある。食糧を諸外国への依存することは、その影響を受け易く、食料価格の安定などあり得ない。食料の高騰は、スタグフレーションを引き起こし、エンゲル係数の増加から、工業製品への需要低下を招くことは明からだ。国はこうした危機への対策として、政府米を貯蔵するなど最低限の食糧危機のリスクマネージメントを行っているが、食料品が経済の主要な位置を占めているならば、何らかの対策を講じる必要がある。
国は2005年からの10年で、食糧自給率を5%アップを当面の目標に据えているが、一方で稲作農家には、任意ながら供給抑制の通達を出している。農業を斡旋する補助金が捻出されているかと言えば、あまり聞いたことがない。一部の自治体や生産品についは補助金が投入されているかもしれないが、皆無といっていい程ではないかと思う。
そこで国に農業政策を見直して貰いたい点を洗い出してみた。
・東京都の面積の1.6倍あると言われている耕作放棄地の有効活用の検討
・耕作放棄地の土壌を分析し、適切な作物を栽培することへの斡旋と補助(小麦、大豆、とうもろこし等)
・コメの生産調整をバイオマス燃料や家畜の飼料への転用によって補う。その為の研究機関の設立や研究機関への投資。
・ブランド化されたコメ品種の諸外国への売り込み
・農業従事者へのより良い環境作り。(農業従事者を対象にした減税などの好待遇)
・定年退職者などを対象にした、セカンドライフの農業転向へ特典を付けるなどして促進を図る。
他にも考え出せばきりがないが、主な点はこのようなものである。上述したことは、既に自治体など各方面で施策及び推進されているところもあるが、まだまだ現状の食料事情を変える程には至っていない。
我が家の朝食はパン食だが、その原料である小麦がさらに高騰するようでは、コメに切り替えなかればならない。ある食料製造メーカーでは、そのコメから米粉を取り出し、パンと同じような食感と風味を出すことで、小麦の代用として既に流通させている。
民間レベルでは、生き残りを賭け、日々格闘し、血みどろになって努力している。同じ人間なのだから、政治家や官僚もこれが出来ないはずがない。もちろん、必死になって国の為に貢献している者も多くいるだろうが、談合や収賄、脱税などによって、悪いイメージが常に付き纏ってしまっているのは承知のことだろう。さらに追い討ちをかけるように、法案が可決されない迷走する国会に、国民は辟易している。この状況を解決しようと、当の与野党自身も早い時期に解散総選挙に持って行きたいと考えているが、果たして結果はどうなるだろうか。
個人的に、民主党ではまだ役不足の感があり政権交代は難しいと見ているが、かっと言って自民党も政策次第によっては苦杯を嘗めるかもしれない。
最後になるが、麻生内閣になった場合、小池氏は政策の違いから、入閣を自身が拒否したようだ。もしそうなったとしたら私にとっては大変残念なことだが、政治家としては自分の意志を貫くことは最も大事なことだ。誰が総裁になろうが入閣しようが、今私が国民が政治家に求めるものは、国民から信頼されるような政治を取り戻すこと、そして政治家が政治への熱意を燃やすことである。
今の政治家には、政治へに熱意が感じられない。歴史を顧みても政治が悪いと国家が転落の一途を辿っている。そうならないためにに政治家には、政治への情熱を前面に押し出して政策論争や会合などに日々を費やして仕事に励んで欲しいと思う。
<完>
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小池氏を推したい理由は他にもある。それは、公約として掲げている「もうかる農業への変革」を唱えていることへの経済面での農業政策である。
私も経済政策の「もうかる農業への変革」は、経済動向と社会情勢の趨勢を読むからに必要不可欠と私も考える。
経済が、「貨幣を媒介として市場での取引を行う行為」であるのなら、食料品の物々交換から発展した現代の市場経済は、農業経済と共に発展してきたと言っても過言ではない。その人間の最低限の生活を保障する「食」を疎かにして、経済の発展などありえるだろうか?
現在の日本の食糧自給率は40%である。幸いにして、コメの自給率は100%を維持しているが、食文化の発達により、残りを輸入に頼っていることは紛れもない現実である。
温暖化や天変地異の発生による凶作や、原油高による穀物のバイオマス燃料への転用によって引き起こされた今日の物価高は、日本に未曾有の危機を与える可能性がある。食糧を諸外国への依存することは、その影響を受け易く、食料価格の安定などあり得ない。食料の高騰は、スタグフレーションを引き起こし、エンゲル係数の増加から、工業製品への需要低下を招くことは明からだ。国はこうした危機への対策として、政府米を貯蔵するなど最低限の食糧危機のリスクマネージメントを行っているが、食料品が経済の主要な位置を占めているならば、何らかの対策を講じる必要がある。
国は2005年からの10年で、食糧自給率を5%アップを当面の目標に据えているが、一方で稲作農家には、任意ながら供給抑制の通達を出している。農業を斡旋する補助金が捻出されているかと言えば、あまり聞いたことがない。一部の自治体や生産品についは補助金が投入されているかもしれないが、皆無といっていい程ではないかと思う。
そこで国に農業政策を見直して貰いたい点を洗い出してみた。
・東京都の面積の1.6倍あると言われている耕作放棄地の有効活用の検討
・耕作放棄地の土壌を分析し、適切な作物を栽培することへの斡旋と補助(小麦、大豆、とうもろこし等)
・コメの生産調整をバイオマス燃料や家畜の飼料への転用によって補う。その為の研究機関の設立や研究機関への投資。
・ブランド化されたコメ品種の諸外国への売り込み
・農業従事者へのより良い環境作り。(農業従事者を対象にした減税などの好待遇)
・定年退職者などを対象にした、セカンドライフの農業転向へ特典を付けるなどして促進を図る。
他にも考え出せばきりがないが、主な点はこのようなものである。上述したことは、既に自治体など各方面で施策及び推進されているところもあるが、まだまだ現状の食料事情を変える程には至っていない。
我が家の朝食はパン食だが、その原料である小麦がさらに高騰するようでは、コメに切り替えなかればならない。ある食料製造メーカーでは、そのコメから米粉を取り出し、パンと同じような食感と風味を出すことで、小麦の代用として既に流通させている。
民間レベルでは、生き残りを賭け、日々格闘し、血みどろになって努力している。同じ人間なのだから、政治家や官僚もこれが出来ないはずがない。もちろん、必死になって国の為に貢献している者も多くいるだろうが、談合や収賄、脱税などによって、悪いイメージが常に付き纏ってしまっているのは承知のことだろう。さらに追い討ちをかけるように、法案が可決されない迷走する国会に、国民は辟易している。この状況を解決しようと、当の与野党自身も早い時期に解散総選挙に持って行きたいと考えているが、果たして結果はどうなるだろうか。
個人的に、民主党ではまだ役不足の感があり政権交代は難しいと見ているが、かっと言って自民党も政策次第によっては苦杯を嘗めるかもしれない。
最後になるが、麻生内閣になった場合、小池氏は政策の違いから、入閣を自身が拒否したようだ。もしそうなったとしたら私にとっては大変残念なことだが、政治家としては自分の意志を貫くことは最も大事なことだ。誰が総裁になろうが入閣しようが、今私が国民が政治家に求めるものは、国民から信頼されるような政治を取り戻すこと、そして政治家が政治への熱意を燃やすことである。
今の政治家には、政治へに熱意が感じられない。歴史を顧みても政治が悪いと国家が転落の一途を辿っている。そうならないためにに政治家には、政治への情熱を前面に押し出して政策論争や会合などに日々を費やして仕事に励んで欲しいと思う。
<完>
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