“WIN BY ALL!”は止まらない2008年10月06日 00時32分27秒

 満員御礼のフクアリ劇場は、今節も留まることを知らない。“WIN BY ALL!”はレッズまでも呑み込んだ!

   浦和レッズ戦のチケットは例年どおり早々と完売したものの、いつもながらメイン側の空席がちらほらと目立ち、発表での観衆は16,718人とスタジアムのキャパシティには及ばない。
 一方で、アウェーのレッズへのシートの割り当てが通常時よりも多く、ほぼアウェースタンド側全域を割り当てるようにクラブ側が配慮したようだ。
 この状況に、燃えないはずがない。
 「選手とサポーターが一体となればレッズに勝てるだろう。今のジェフは全く負ける気がしない。選手の気力も体力も技術も戦術も組織も、そしてサポーターの団結力でも他のチームは追随できない勝者の条件が揃っている。」
 ペシミズムから解放された反動であったかはいざしらず、決して楽観視していたわけではないが、私の中にはそういった「慢心」が存在していたのは確かだ。私はこの状況を見るに、再び気を引き締め、レッズへリベンジすることの情熱へかきたてた。
 レッズ戦はそのゲーム内容に関わらず、いつもながらエキサイティングにならざるを得ない。毎試合、気の抜けない興奮冷めやらぬゲームが続いてはいるが、やはりレッズ戦は特別だ。
 レッズサポーターの組織力と声量は相も変わらずだが、こちらも負けてはいられない。“WIN BY ALL!”コールでレッズサポーターものとも呑み込む気概で応戦し、ピッチに入場する選手達を迎え入れた。

 ゲームは以外にも開始早々から動き出した。  谷澤が左サイドからグラウンダーのパスを中央へ送り、深井が「シャドーストライカー」のような動きで背後から現れ、パスに合わせてゴールへ蹴り込んだ。
 幸先の良すぎる展開に、スタジアムは歓喜と熱狂の渦に巻き込まれ、勢いそのままに楽勝ムードが漂ったが、それは絵空事に過ぎなかった。それはあの男によってそうすることができなくなってしまった。誰もが認めざるを得ない、日本では彼の右に出るものはいないだろうあのリベロによって、怪我から復帰間もないその男は、ひょうひょうとゴール前に顔を出し、あっさりと同点にしてまった。
 ゴール後足を痛めたらしく、しばらく蹲っていたが、その男はすぎに立ち上がってポジションに戻った。 敵ながら、あの精神力には感服するばかりだ。

 その後は、今季で一番ゲームが長いと感じるような一進一退の攻防となった。
 守護陣は、レッズの猛攻にさらされ、最終ラインがスルズルと引いたまま押し上げることができず、何度かの決定機を与えてしまっていた。しかしながら、必死のデイフェンスとカバーリングで守備陣が持ちこたえ、さらに前線からのフォアチェックを怠らなかったことが、防戦一方の状況を打開した理由だろうか。
 一方の攻撃では、レッズの中央のラインが強い為、サイドの攻防がキーとなったようだ。
 自陣の左サイド、谷澤と平川のマッチアップは攻守に渡って両者相譲らずアグレッシブに激突し、見応えのある攻防が展開されていた。
 右サイドの深井は相馬と対峙していたが、阿部のサポートもあってこちらは相性が悪く、形勢不利に陥っていた。そうした状況を憂慮してのことだろうか。前半も終盤に差しかかった頃には完全に深井と谷澤がポジションチェンジしていたようだ。
 そのサイド攻撃などから巻がターゲットマンとなって、体を張ったポストプレーなどでチャンスを作り、自らもポストに直撃したヘディングシュートなどジェフの攻撃はサイドから機能していたように思う。
 そのような一進一退の白熱したゲーム展開で長く感じた前半は過ぎ去っていった。

 ハーフタイムが終わり、この日もいち早くピッチに戻ってきた選手に、サポーターは共闘の“WIN BY ALL!”コールで送り出した。
 後半も前半と同じような一進一退の攻防が続く中、深井がミシェウからの縦パスに張り込んで、回転して鮮やかに相手をかわし、今節2点目を挙げた。このシーンを後からVTRで何度も見たが、ボールを受ける前から相手のポジショニングを確認しての一瞬の判断で“深井ルーレット”と命名しても良いような素晴らしいプレーは炸裂したようだ。
 そして、徐徐に相手の運動量が落ちる中、前半にボール奪取された回数が後半には完全に逆転していたと思うような、持ち前の運動量を維持し、ジェフ攻勢をかける時間帯が続いた。
 ミシェウの左隅を狙った待望の技ありゴールは、そうしたさなかにもたらされたものだった。
 最後は意気消沈せずに、矢継ぎ早に手を打ってきた相手の攻撃に晒され一点を返されはしたが、こちらも指揮官の効果的な選手交代で次々に放ってくるロングボールを跳ね返し、逃げ切った。

   このゲームの深井はマンオブザマッチに匹敵する素晴らしい活躍だったが、個人的には巻を選びたいと思う。度々サイドに流れて楔を受けることはあったが、やはり巻の真骨頂は前線中央でのポストプレーだ。闘莉王、阿部、坪井を相手に何度も繰り返されるポストプレーは、相手を疲弊させ、さらに味方にボールを預けるといったエッセンスの作用をもたらしている。
 次節は、そのポストプレーはさることながら、日本人得点王に近づくゴールに期待したい。

 今節の勝利で、リーグ序盤の成績からは信じられない破竹の5連勝を達成したが、ジェフの好調さに呼応されて残留ラインが押し上げられ、混沌としている現実を見据えると、これからが勝負になるだろう。
 次節まで2週間のインターバルが置かれる為、勢いの低下が懸念されているが、選手が指揮官に対するフットボールへの造詣を理解し、選手自身が自信を取り戻したことへの指揮官に対する信頼感は、メンタリティの充実を示唆しており、さほど障害にならないと思う。

   「フクアリをアンフィールドのように!」
 その指揮官の期待にサポーターも応えている今、今季の目標である“残留”を達成するまでは、“WIN BY ALL!”は止まらない。


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清原引退に思う2008年10月03日 01時41分16秒

 昨日の清原の引退セレモニーには不覚にもらい泣きしてしまった。すぽるとのハイライトの映像を見ただけだったが、あのスピーチからは“男 清原”の野球人生がひしひしと伝わってきて、熱いロマンにその生き様に心が駆り立てられた。そして、長渕剛のマブタチへの「とんぼ」の京セラドームのファンと一体となっての大熱唱には奮えが止まらなかった。

 「本当に一つの時代が終わったんだな・・・。」
 思い起こせば、僕の高校までの短い野球生活を送るきっかけをくれたのその一人は清原だった。当時サッカー少年だった僕に、野球の方向へ向かわせたのは、PL学園のKKコンビの活躍を見てのことだったからだ。
 そのKKがプロ入りしてからは、当時はCS放送なんてものはなく、地上波の巨人戦ばっかりが放送されていた影響もあってか巨人ファンではなかったが、桑田が好きだった僕は、西武の黄金時代にあって日本シリーズで巨人とぶつかった時は、当時の「AK砲」(秋山、清原)を驚異的に捉えていたような記憶が残っている。
 清原の西武時代は輝かしい記録ばかりで、心に残る名シーンが浮かばないのだが、かと言って、巨人に入ってから「MK砲」と騒がれ、そこそこの成績を残したもの怪我がちだった印象は拭えない。心に残るシーンは藪とのデットボールに激昂したシーンくらいだったかな(笑)  冗談はさておき、巨人に入ってから、肉体改造とか言いながら、体を一回りも二回りも大きくしたことは、故障を誘発させたようで、関節部分はそう鍛えられないことをわかっていたのに甚だ疑問が残る。そして、デッドボールを避けないプレースタイルで怪我を負ったことも、プロの野球選手として疑問を持ったが、あのがさつで頑固で武骨なまでに闘魂を前面に出してプレースタイルがあったからこそ、多くの記録と共に多く話題をさらい、多くのファンに憎まれ口を叩かれ、そして愛されたのだと思う。  清原の凄いところは、四番打者とは思えぬ右打ちの巧さだったと思う。今後も清原のように右方向にあれだけホームランを打てる選手はそう出てこないだろう。だからこそ、長きに渡って4番として君臨できたのだと思う。

 最後に清原選手、23年間の現役生活本当にお疲れ様でした。これからは、その熱い魂を後進の指導に役立てて下さい。そして監督になった暁には、その闘魂をベンチで揮わせて下さい。
 そして、来世での王監督のホームラン競争、僕も同時代生まれ変わることができたなら、それだけで最高です。


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“WIN BY ALL!”の名の下に2008年09月24日 16時24分00秒

Jリーグファンは、どちらが優勝争いをしているチームかを錯覚し、初めて見た者は誤っただろう。
 名古屋サポーターの方々には申し訳ないが、そのような印象のゲームだった。

 残留に向けて“今こそWIN BY ALL!”活動を展開中のこの日も、ゲーム開始の士気を昂揚させる普段の“アメージンググレイス”ではなく総攻撃を合図する“WIN BY ALL”のかけ声で選手達、そしてサポーター自らを鼓舞させながらホイッスルを向かえることになった。

   今節は待ち望んだミシェウが復帰し、ミシェウは3枚の二列目の中央へ、ワントップには縦の連係の相性を考えてか、巻を休ませブラジル人のレイナウド、そして、ボランチにはいつもの戸田ではなく工藤が入る布陣でスタートした。

   前半からジェフがグランパスを圧倒した。
 ジェフの各選手の相手ボールへの寄せが早く、またラインもコンパクトに統率され、それが優勝争いをしているチーム相手に実践しているのだから、「組織として見事なまでに洗練されている」といった印象は否定しようがない。
 攻撃では、キープ力があり、変化のある攻撃を演出し、ドリブル突破にも優れているミシェウは期待に叶ったとおりのパフォーマンスを発揮してくれていた。
 ミシェウのドリブル突破は圧倒的なスピードこそないものの、無駄のない動作とスピードの変化で相手を何度も抜き去るその様は、見ていてスカッとする。私は、同じブラジル人でもロナウジーニョのような大きなフェイントで相手を抜き去るよりも、カカーのようなスピードの変化で抜き去る選手が好みである為、そういった変化のあるドリブルもできるミシェウに対し、とことん「凄いヤツだ」とゲーム中は感心せざるを得なかった。
 ミシェウが「凄いヤツだ」だと感心するのはそれだけではない。相手へのチェイシングとプレスを最後まで怠らないことだ。このような献身的なブラジル人はあまり見たことがない。まさに“WIN BY ALL!の申し子”のような選手だ。今更ながら、獲得してくれた昼田GMにお礼を言わなければならない。
 そのミシェウの巧みなゲームメーク感覚に触発されてか、深井、レイナウドとのダイレクトパス、そして工藤との縦の関係も素晴らしく、ゴールは時間の問題かと思われた。
 しかし、青木良太の怪我の影響からか、自陣の左サイドから小川に隙をつけこまれ、フリーにしてしまった瞬間、素晴らしいミドルシュートでゴールを割られてしまった。
 先ほどまでのジェフの優勢ぶりは何処へいってしまったのか、これが優勝争いをしているチームの差かと気持ちが少し萎えてしまったが、後半に向けてみんなが逆転を信じていたに違いない。

   後半開始前の円陣は反撃の狼煙だった。これに呼応したサポーターも挙って選手達を鼓舞した。そして束の間の逆襲劇が展開された。
 早川のクロスを谷澤がヘッドで合わせまずは同点。このゴールは楢崎のミスの感が否めないが、ゴール裏のサポーターの“WIN BY ALL!”コールが楢崎を硬直させたに違いない。
 そして直後、谷澤のシュートのセーブされた跳ね返りを詰めていた深井が押し込んだ。
 この時スタジアムは最高潮に達した。立場が違えば、優勝を決める瞬間のような感覚だっただろう。
 その後も全員がハードワークに徹し、ゲームを優位に展開させた。特に、工藤のディフェンスは素晴らしかった。体は小さいながらも、懐を最大限に使うキープ力はさることながら、インターセプトやボール奪取と攻守に渡って奮闘した。そして、センターバックの一人、首尾一貫、目立たないながらも守備に徹する池田の奮闘ぶりも光った。

 今節の勝利で自動降格圏をようやく脱したが、未だ降格圏であることには違いはない。これからも気の抜けない戦いが続くだろう。  “WIN BY ALL!”はこれからも続くが、名古屋に勝ったことで更なる上昇機運が高まった。
 今のジェフに恐れるものは何もない。選手達の気力も体力も充実している。その上ツキもある。

   次のホームも絶対に勝とう!“WIN BY ALL!”の名の下に。


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総裁選からたまには政治を考えてみた ~その4~2008年09月21日 22時22分03秒

 ■政治に求める戦略的な農業政策

 小池氏を推したい理由は他にもある。それは、公約として掲げている「もうかる農業への変革」を唱えていることへの経済面での農業政策である。
 私も経済政策の「もうかる農業への変革」は、経済動向と社会情勢の趨勢を読むからに必要不可欠と私も考える。
 経済が、「貨幣を媒介として市場での取引を行う行為」であるのなら、食料品の物々交換から発展した現代の市場経済は、農業経済と共に発展してきたと言っても過言ではない。その人間の最低限の生活を保障する「食」を疎かにして、経済の発展などありえるだろうか?
 現在の日本の食糧自給率は40%である。幸いにして、コメの自給率は100%を維持しているが、食文化の発達により、残りを輸入に頼っていることは紛れもない現実である。
 温暖化や天変地異の発生による凶作や、原油高による穀物のバイオマス燃料への転用によって引き起こされた今日の物価高は、日本に未曾有の危機を与える可能性がある。食糧を諸外国への依存することは、その影響を受け易く、食料価格の安定などあり得ない。食料の高騰は、スタグフレーションを引き起こし、エンゲル係数の増加から、工業製品への需要低下を招くことは明からだ。国はこうした危機への対策として、政府米を貯蔵するなど最低限の食糧危機のリスクマネージメントを行っているが、食料品が経済の主要な位置を占めているならば、何らかの対策を講じる必要がある。
 国は2005年からの10年で、食糧自給率を5%アップを当面の目標に据えているが、一方で稲作農家には、任意ながら供給抑制の通達を出している。農業を斡旋する補助金が捻出されているかと言えば、あまり聞いたことがない。一部の自治体や生産品についは補助金が投入されているかもしれないが、皆無といっていい程ではないかと思う。
 そこで国に農業政策を見直して貰いたい点を洗い出してみた。

・東京都の面積の1.6倍あると言われている耕作放棄地の有効活用の検討
・耕作放棄地の土壌を分析し、適切な作物を栽培することへの斡旋と補助(小麦、大豆、とうもろこし等)
・コメの生産調整をバイオマス燃料や家畜の飼料への転用によって補う。その為の研究機関の設立や研究機関への投資。
・ブランド化されたコメ品種の諸外国への売り込み
・農業従事者へのより良い環境作り。(農業従事者を対象にした減税などの好待遇)
・定年退職者などを対象にした、セカンドライフの農業転向へ特典を付けるなどして促進を図る。

 他にも考え出せばきりがないが、主な点はこのようなものである。上述したことは、既に自治体など各方面で施策及び推進されているところもあるが、まだまだ現状の食料事情を変える程には至っていない。
 我が家の朝食はパン食だが、その原料である小麦がさらに高騰するようでは、コメに切り替えなかればならない。ある食料製造メーカーでは、そのコメから米粉を取り出し、パンと同じような食感と風味を出すことで、小麦の代用として既に流通させている。
 民間レベルでは、生き残りを賭け、日々格闘し、血みどろになって努力している。同じ人間なのだから、政治家や官僚もこれが出来ないはずがない。もちろん、必死になって国の為に貢献している者も多くいるだろうが、談合や収賄、脱税などによって、悪いイメージが常に付き纏ってしまっているのは承知のことだろう。さらに追い討ちをかけるように、法案が可決されない迷走する国会に、国民は辟易している。この状況を解決しようと、当の与野党自身も早い時期に解散総選挙に持って行きたいと考えているが、果たして結果はどうなるだろうか。
 個人的に、民主党ではまだ役不足の感があり政権交代は難しいと見ているが、かっと言って自民党も政策次第によっては苦杯を嘗めるかもしれない。

   最後になるが、麻生内閣になった場合、小池氏は政策の違いから、入閣を自身が拒否したようだ。もしそうなったとしたら私にとっては大変残念なことだが、政治家としては自分の意志を貫くことは最も大事なことだ。誰が総裁になろうが入閣しようが、今私が国民が政治家に求めるものは、国民から信頼されるような政治を取り戻すこと、そして政治家が政治への熱意を燃やすことである。
 今の政治家には、政治へに熱意が感じられない。歴史を顧みても政治が悪いと国家が転落の一途を辿っている。そうならないためにに政治家には、政治への情熱を前面に押し出して政策論争や会合などに日々を費やして仕事に励んで欲しいと思う。

<完>

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総裁選からたまには政治を考えてみた ~その3~2008年09月21日 19時07分27秒

 ■経済問題への財政出動は得策か

   アメリカの金融不安のニュースを取り入れることを予定していなかった為、論旨から乖離してしまったが、総裁選の当開票も明日に迫っているので、尻切れ蜻蛉になってしまうが、急ピッチで完結させたい。

   政治への不信感とアメリカの金融情勢によって主役を奪われ、いまいち盛り上がりに欠ける総裁選だが、圧倒的に麻生氏が有利にも関わらず、“仲好し行脚”や派閥を分断してまでの支持合戦、そして小泉元総理の「何も言えねぇ」発言から一転して小池氏百合子氏の支持に回ったことなどを見ても、その後の解散総選挙を睨んで国民に政策などをアピールするための総裁選であることが一目に見て取れるだろう。
 アメリカ民主党の大統領候補選出のように政策論争や中傷に至るまで派手にやりあって欲しいものだが、ヒラリー支持者がマケイン支持に回ったことへの両者共倒れを懸念しての“仲好しこよし”状態なのだから、いまいち盛り上がりに欠けるのは否めない。
 とはいえ、5候補者ともプライマリーバランスの2011年度黒字化方針の堅持を初めとする経済政策では共通しているが、財政改革では、意見が分かれているようだ。
 総裁が確実な麻生氏の場合、経済問題に比重を置くことで、仕切りに財政出動と減税を唱えているが、果たしてこの政策は奏功するのであろうか?
 今の需要の冷え込みは、日本の最大の貿易国であるアメリカ経済の悪化や原油高から波及した食料品の物価高からくるものであるのに、財政創出によるケインズ的な有効需要の統制といったやり方に対し、どうしても疑問符が付いてしまう。
 経済への財政出動は、一時期的な景気対策にはなると思うが、民間企業はいつまで続くかも知れない絶え間ない経営努力の日々を送っている。再び消費を加熱させる一番の薬は物価の安定にあることは、紛れもないことであるので、この対策として財政出動は一つの有効な手段ではあると思うが、果たしてどうだろう。目先の場当たり的な手当てよりも、多少の痛みは放置し、思い切ってメスを入れることも必要ではないだろうか。
 その行財政改革の構造改革を目指す政策では、小泉氏が推薦する小池百合子氏の公約は魅力的である。
 小池氏を支持する、郵政改革を実践した小泉元首相に対しては、常に「市場原理主義」的であると批判が絶えないが、金融システム維持のため、金融機関に公的資金を注入したことからも、政府にしかできない役割を実践している上で、それは決して「市場原理主義」的はないという意見もあるが、小池氏は小泉路線を踏襲すると言い切っている。
 その小池氏の行財政改革だが、“霞ヶ関改革”と銘打った「官僚主導から政治主導への転換」を明言し、小さな政府を目指していることである。その目的は、「公務員制度改革」にあり、頭でっかちな官僚の天下り体質を根本から変える効果を狙ったものである。そして、にわかに囁かれている、特別会計の積立金などの“霞が関埋蔵金”を使用することで、経済と財政を当面の間維持しようという目論見である。
 消費税や法人税、所得税などの税制改革は、今後の日本の経済状況や人口推移などの社会情勢から、年金制度や社会保障費を見据えれば、増税の実行は止むを得ないと思うが、時期を間違えれば日本経済が急激に影を落とすことも考えられる為、経済界からの反発は必死である。そうした理由から、まずは恒久的な行財政改革から手を付けるのが最もであるように思う。

その4へつづく


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